[3つの引き出し理論(スキルの引き出し)]
例えば、自分が200cmあるビッグマンだったとしましょう。得意なプレイはインサイドでのパワープレイであったり、ショートからミドルレンジでのシュートだったとします。
今はインサイドでのプレイばっかりだけど、将来プロではアウトサイドからのプレイもできるようにならなければいけないなぁと自分で分かっているのであれば、3ptシュートを上手になりたいと思うものですよね!?
でも、今はまだ全然アウトサイドからのシュートは入らなくて、練習で打つのも怖いし、ましてやゲームで打つなんてもってのほか….。
自分がいる今のレベルではインサイドで十分活躍できるんだけど、上のレベルに行けばそう簡単に行かないのはもう分かっている…。
または、以下の場合ではどうでしょう?
僕はシューター。特にキャッチアンドシュートが得意。
でも、本当はドライブも上手くできる選手になりたいし、フローターなんかも打てるようになりたい。
でもコーチやチームに求められるのは、自分の得意なキャッチアンドシュートだから、練習や試合ではどうしてもそればっかりになってしまう…。
こういった、自分が将来なりたい「理想像」とチームからの「求められる姿」にギャップがある場合はどうしたら良いのでしょう??
ボクたちはこう考えます。
「理想像」を追い求めることを諦める必要はない。
ただし、個人ワークアウトでトレーニングを行い、練習や試合で使えるレベルに到達する必要があると。
ここで紹介する「スキルの引き出し理論」は、練習した(習得した)スキルを、試合、練習、個人練習といったシチュエーションの中で、どこで使って良いのか区別するための考え方です。
自分の持っているスキルの集合体を一つのタンスだと仮定した場合、
そのタンスには3つの引き出しがあります。
① 一番上の引き出し: 「EXCELLENT」すごく得意なプレイやエリア
② 真ん中の引き出し: 「GOOD」まぁまぁ得意なプレイやエリア
③ 一番下の引き出し: 「POOR」現時点で上手ではないけど、将来得意になりたいプレイやエリア
①や②については普段のチーム練習や試合で使うべきプレイだと思います。
ですが、③に関して言うと、まずは個人練習といった状況から少しずつ段階的にトレーニングを行うべきだと考えています。
最初に説明した例で、現状の自分の実力が、3ptを打っても10%としか入らなかったり、ドライブの途中でいつもトラベリングしたりファンブルしたりしてしまうようであれば、無理して練習や試合で用いる必要はありません。
そういった場合は、まず個人練習で自分のスキルをひたすら鍛え(③の引き出し)、3ptが25-30%程度入るようになったり、ドライブでもミスをせずしっかりシュートまで持っていけるようになったら、少しずつ練習で使っていきましょう(②の引き出し)。
3ptシュートが35~40%程度入ったり、ドライブがお得意のプレイとなったら、練習のみならず試合でもこういったプレイを狙っていくべきです(③の引き出し)!
もうキミの十八番のプレイですからね^^ コーチもキミのプレイに期待しているはずです!!
ですから、苦手なプレイだったとしても、自分が向上を狙うエリアであるのであれば、どんどん使っていくべきです。ただし、自分のスキルの成熟度合いを客観的に判断して、まだ練習が必要だと感じるのであれば、それはまだ「③の引き出し」に入っていると判断して、ひたすらに個人練習の場で鍛えましょう。
苦手なプレイを使うな、とは言いません!
正しい環境でひたすら練習して、試合で使えるレベルに達するまでひたすら技術向上を狙うのです。