【#5 ファンダメンタルの原理・原則】
断言しますが、トップのNBA選手が一番行うトレーニングは結局のところ、シンプルな「ファンダメンタル」です。「今すぐ上手くなる」と謳うスキルトレーニングは本当に魔法の薬ですか?プロになるための「最短距離」となるトレーニングは何ですか? 25年以上日本のトップのプロバスケ選手を見てきたボクが、プロに近づくヒミツのトレーニング法を教えます↓
\スキルトレーニングの前にちょっと待って!/
バスケにとって一番大事な「ファンダメンタル」を理解しよう。
昨日は、
すべてのムーブで必要なファンダメンタルは、
❶ Posture and Stance(姿勢・スタンス)
❷ Ball Placement(ドリブルをつく位置)
❸ Ball x Body Synchronicity(ボールと体の連動性)
❹ Ball Speed(ボール・スピード)
❺ Pace(動きの出力=アクセルの出し入れ)
だという話をしました。
➡️https://twitter.com/KenjiroIwano/status/1769507268591280513
今日は
❶ Posture and Stance(姿勢・スタンス)
について話してみましょう。
==========
まず、
前提条件となる基本の考え方を説明しますね。
アクションを行う時、動きのエネルギーは
以下の2つに分類されます。
・Positive Energy ポジティブ・エネルギー
・Negative Energy ネガティブ・エネルギー
ポジティブ・エネルギーは、
そのムーブやアクション、シュートなど
動作を行うのに
直接的に必要となるエネルギーのこと。
例えば、シュートを打つ時に必要な
床からの反発エネルギーなどです。
ネガティブ・エネルギーは
ポジティブ・エネルギーに不必要であったり
邪魔となったりする力のことです。
例えば、シュートを打つ時に
手の肘が外に開いていれば、
力を外に逃してしまう起点となるため、
それを相殺して逆向きに調節する
ためのネガティブ・エネルギーが
生まれます。
(この相殺するエネルギーを使わないと
シュートは真っ直ぐ飛ばないですよね)
ネガティブ・エネルギーが生まれない
状況では、床からの反発エネルギーを
そのまま真っ直ぐ上向きにボールへと
きれいに伝えることができます。
正しいトレーニングの目的とは、
このポジティブ・エネルギーを
最大化して、
ネガティブ・エネルギーを
最小化して排除する、
というとてもシンプルなこと。
別の言葉で言うと、
「効率化」です。
この点を頭の片隅に置いて、
まずはNBAスーパースター
ステフィン・カリーの
以下の動画を見てみてください。
https://youtu.be/9zSwVPz-7XU?si=Gn1h1a-rIWULJua3&t=26
すっごいシュート⼊りますよね笑
でも⾒て欲しいのはそこではないんです…。
・胸を張り、背筋を伸ばした前傾姿勢
・バランス良く上下左右にブレないスタンス
そこを踏まえてもう⼀度上のビデオを
チェックしてみてください!
無駄な動作(Negative Energy)は無く
床からの反発を一気に
ボールに伝えて弾き出すイメージです。
それでは次に、カリーと同じように
NBAでもトップ中のトップガードの1⼈
みんな⼤好きなデイミアン・リラードの
動画を⾒てみましょう。
https://youtu.be/-VuY1VP_DRA?si=LRJ0ijy4jujmms6w&t=5
注⽬して欲しいのは、
ボールをキャッチする前から
下半⾝をしっかりと落とした体勢で
胸を張った前傾姿勢のスタンスを保ち、
(完璧な予備動作を作り上げる姿勢)
そこから真っ直ぐ⾶び上がる
バランス良く「ブレない上体」
そこには床反発からの
Positive Energyこそあれ
無駄で邪魔な
Negative Energyはまったくない。
頭の位置を⾒てください。
真っ直ぐ上に上がっていきますよね。
全くブレない。
床からの反発エネルギーがすべて
無駄なくボールに伝わっていく。
こういったカリーやリラードが
プレイ中に実現している
・胸を張り、背筋を伸ばした前傾姿勢
・バランス良く上下左右にブレないスタンス
といった要素が ボクたちが考える
最初のファンダメンタルなんです。
『好きな時に』
『好きな場所へ』
移動して素早く
バランスの取れたシュートを打つ。
これがバスケの究極の⽬標。
これは簡単に聞こえますが、
⾃分の好きなタイミングで
⾏きたい場所へ動きシュートを決める
実際問題、⾄難の技ですよね。
これを実現するには、
Postive Energyを最大化させ
Negative Energyを最小化させる
基礎的な動きと強さ=ファンダメンタル
これがないと達成できないのです。
Posture and Stance(姿勢・スタンス)
・胸を張り、背筋を伸ばした前傾姿勢
・バランス良く上下左右にブレないスタンス
このファンダメンタルからすべては始まり、
さまざまなプレイや状況において、
ファンダメンタルの点と点
プレイの点と点
がつながって、
圧倒的な成功につながります。
強く、速く、バランスの取れた
プレイの実現が可能となるのです。
それでは、⽐較対象として
次の動画をちょっとだけ⾒てみましょう。
2023年NBAドラフト全体2番⽬で
セレクトされた期待のルーキー、
スクート・ヘンダーソンです。
https://youtu.be/PCyunNSDQIg?si=Dfh50etVdhLpq3Ir
ダイナミックで凄い プレイヤーですよね!
⾝体能⼒やスピードが素晴らしく
NBAでも大活躍しそうな完璧な選⼿に⾒えます。
では、MVPとしてNBAに君臨するカリーと
ヘンダーソンが⼀緒にトレーニングしている
動画があるのですが、
今度はそれをチェックしてみましょう!
https://youtu.be/RAHprFB-GCA?si=jVAla803p7CPZuUd
おそらく、最⼤パワーやジャンプ⼒
そしてスピードはヘンダーソンの⽅が
2倍も3倍も上ですよね。
でも、
Posture and Stance(姿勢・スタンス)
・胸を張り、背筋を伸ばした前傾姿勢
・バランス良く上下左右にブレないスタンス
に注意して⾒てください!
カリーはまるで精密機械のようではないですか?
ヘンダーソンの⽅はというと、
頭の位置や上体そして下半⾝が上下にブレて
無駄な動きが多くバランスが悪い
(= Negative Energyが多い)ように⾒えます。
バランスが崩れると、自然と体は
それを相殺し、元の状態へ体を
戻そうとするNegative Energyを生み出します。
これが邪魔であり、
①余計なエネルギーが必要となり
②ディフェンスに隙を与える一瞬の時間を
生み出します。
最初はなかなか気づきませんが、
動画で2人を⾒⽐べてみると
動きのクオリティが
はっきりと違うことが分かりますよね。
NBAに君臨するトッププレイヤーと
NBAに向け準備していかなければ
いけないルーキーの選⼿との
⼤きな差はここにあるんです。
Posture and Stance(姿勢・スタンス)
・胸を張り、背筋を伸ばした前傾姿勢
・バランス良く上下左右にブレないスタンス
ファンダメンタルの差が
実際のプレイで決定的な結果の違いを⽣むんです。
さらに、この「Posture =姿勢」を深掘りすると、
❶ Chest Up
❷ Chin Up
❸ Sit Down
という要素があって、
❶ Chest Up
は胸を張って前傾姿勢を保つこと。
「前傾」と「前屈」は
まったく意味が異なります。
「低い姿勢」を教えることに
気が行き過ぎて、、、
背中を丸めた「前屈」姿勢に
なってしまっていることが
頻繁に見受けられます。。。
「前屈」姿勢を取ってしまうと
そのデメリットは、
A. 床からの反発を使って
加速したり、シュートしたりするときに
力のロスが生じる。
例えば、
割り箸をテーブルの上から落としてみてください。
跳ねますよね。
今度は、割り箸を追って(前屈状態)
同様に上から落としてください。
折れたところから力が抜けることが
分かるかと思います。
背筋をピンとして、
お尻から頭まで棒が入っている
イメージを持つと、自分の出力を
最適に使えます。
B. 目線が床を向いてしまう。
これは簡単ですよね。
視界を狭めてしまうことは、
シュート、パス、ドリブルという
アクションにとって致命傷です。
❷ Chin Upは、
直訳すると「アゴを上げる」=
つまり顔を上げて、視界を保つ。
シュート、パス、ドリブルを
効果的に行うには、リングを中心に
視界を保っておくことが必要です。
稀にわざと目線を切ってフェイクすることも
ありますが、そのような時でも
フェイクする前の視界認識により
リングを中心とした空間把握が大事です。
❸ Sit Downは
「椅子に座る」ように、低姿勢のベースを作る、
ということ。
ボールをもらった後や、
アクションを行おうとするときに、
低姿勢のベースを作るのは、
既に1テンポ遅い工程を作ることになり、
出力の伝達という点からも、非効率。
アクションの事前準備として
低姿勢のベースを作ることが
大事なハビットです。
ステフィン・カリーを7年間指導した
ブレイク・ボーリンジャー、
またデイミアン・リラードを教える
フィル・ベックナーのトレーニングを
実際に目の当たりにしましたが、
まず、彼らがしつこく口酸っぱく言うのは、
この「Posture = 姿勢」のこと。
正しい姿勢からのムーブを
ひたすら反復練習して、
撮影した動画を見てチェックしています。
シンプルすぎてボクらにとっては
びっくりするようなことですが、
真実です。
なぜか?
それは結局のところ、
シンプルさを究極まで追求することが
最大の差を生むからです。
それでは明日は、
❷ Ball Placement(ドリブルをつく位置)
こちらのファンダメンタルについて
話をしてみましょう。
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★トップリーグスタッフとして日本一12回
(リーグ優勝4回、天皇杯8回)
FIBA公認エージェントとして
日本/海外トッププロプレイヤーを見続けて12年。
すべての動きの源、知ってるようで知ってない
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