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オフ・フット・フィニッシュ
どうもこんにちは。フープファクトリーの岩野健次郎です。
今回は、「オフフット・フィニッシュ」というレイアップのスキルについてお伝えします。
ハーフコートやトランジションで、ディフェンスを背負った状態でもレイアップをしっかりと決めたい!という選手は、ぜひこのスキルを身につけるようにしましょう!
僕が絶対に習得してもらいたい、と思っているレイアップスキルです!
「オフフット・フィニッシュ」は、どのポジションのプレイヤーでも習得した方がいいレイアップなんですが、ガードの選手にとっては必須のフィニッシュ・スキルです。
まず、みんなに聞きたいことがあります。
普通の1-2ステップで打つランニングシュートがありますよね?
このランニングシュートを使ってレイアップを狙う時、ディフェンダーがついてきたら、簡単に打つことはできますか?
自分よりサイズの大きい選手やビッグマンがディフェンスしてきたら、ブロックされずに簡単にレイアップを決めることはできますか?
答えは、おそらくノーですよね?
この1-2ステップのランニングシュートの最大の弱点をお伝えしましょう。
それは、1 – 2とステップを2回踏むことにあります。ステップを踏んでからボールを放つまでに 1-2というリズムと時間があるから、ディフェンスがブロックまでのタイミングを測りやすいし、ブロックされなかったとしてもディフェンダーにプレッシャーをかけられやすいので、レイアップの精度が狂うことにつながってしまいます。
これに対する一つの解決策が、今回説明するオフフット・フィニッシュになります。
オフフット・フィニッシュは1-2ステップではなく、1のステップで放つことができるレイアップです。1のタイミングで、いきなり打つのでディフェンスのタイミングをずらすことができます。
詳しく説明していくと、オフフットの「オフ」とはイレギュラーな状態を指すので、オフフットとは逆足でのフィニッシュという意味なんですが、右手でレイアップを放つ場合、普通のレイアップでは、右足で最初のステップを踏んで、左足で踏み切るという1-2ステップのジャンプでレイアップを狙いますよね。
このオフフット・フィニッシュではそうではなく、逆足のフィニッシュとなるので、右手でのレイアップでは、左足の踏切ではなく、右足踏切となります。
右手・右足という風に、同じサイドの手と足を使うので、”Same Hand Same Foot Finish”などと言ったりもします。
また、通常とは反対の足を使うことから、”Wrong Foot Finish”とも言ったりします。
オフフット・フィニッシュは、最初の1のステップでシュートを放つレイアップです。したがって、ディフェンスが反応する前にシュートを放つことができ、これが、最大のメリットとなります。
右手でレイアップを放つのであれば、右足・左足の2ステップからシュートを打つのではなく、最初の右足のステップですぐにレイアップを放ちます。
また、右足で踏み切ると、自然と左足と左肩も持ち上がりますよね。
これがプロテクションとなるわけです。普通のランニングシュートのように左足で踏み切ると、体が開いてしまうので、ボールをプロテクトしづらいですよね。
シュートを打つ右手とは反対側の左肩と左腕でディフェンスとコンタクトを行い、ディフェンスの勢いを殺すことができるので、ディフェンスとの間にズレができ、シュートを安全に打てるスペースを作り出すことができます。この2つがオフフット・フィニッシュの最大の利点です。
サイズの小さいガードなど、必ず上手にならなければいけないレイアップの技術です。
アイザイア・トーマスなんかがすごい上手ですよね。
高校や大学、プロレベルなどではよく見られるこのオフフット・フィニッシュですが、ぜひ小さいころから練習しましょう。
色んな種類のレイアップを打てるスキルを持つことがとても大事です。
繰り返しになりますが、特にガードのプレイヤーは絶対に習得してください!
なぜ、「絶対に」とボクが言っているのかというと、NBAなどプロの試合を見ていると、このオフフット・フィニッシュを用いてガードがシュートを決めている場面がたくさんあるはずです。
サイズが大きく、運動能力の高い選手が信じられないくらい多数存在するNBAのゲームでは、時として、「高く跳ぶ」ということよりも、「タイミングをずらして早くボールを放つ」、ディフェンスを跳ばせない、あるいはジャンプの勢いを殺して自分のスペースを作る、といったことの方が優先されます。
ですから、ガードにとって必須のスキルだと言えます。
また、ユーロステップやインバーテッド・ユーロステップを使うレイアップでは、必ずこのオフフット・フィニッシュでボールを放つ技術が要求されます。必ずです。
右足・左足のどちらで踏み切ったとしても、ディフェンスの状態や場所によって、右手・左手のどちらでもベターな方でフィニッシュできる能力が求められるからです。
オフ・フット・フィニッシュのポイント
ショットブロッカーの準備が整う前にレイアップを打てる
右手でのレイアップを狙うときに、通常の踏切り足である左足ではなくオフレッグの右足で、力を瞬間的に込めてジャンプを行いましょう。
アメリカではエクスプロードと言う言葉で表現されることが多いんですが、これは「爆発する」というニュアンスを持つ言葉で、バスケットでは瞬間的な勢いを表すのに良く使われる言葉です。
この右足のステップが1のステップとなるため、ショットブロッカーの準備が整っていない状態でレイアップを打てます。
インサイドアームやショルダーでコンタクトを行おう!
インサイドアームは、内側の腕という意味なんだけれども、通常ボールはディフェンダーから遠ざけるように外側の手で持たれているため、ボールを保持していない反対の内側にある腕がインサイドアームとなります。
オフハンドは、シュートを打つときに用いる手と反対側の腕がオフハンドです。
したがって、右手でレイアップを打つのであれば、左手がオフハンド。左手でレイアップを打つのであれば、右手がオフハンドとなります。
オフフットでジャンプすると同時に、反対側のインサイドアームやショルダーでディフェンスにコンタクトを行い、ディフェンダーの勢いを殺すようにしましょう。
そうすることで相手は高く跳ぶことができなくなったり、ジャンプできる方向が変わるのでタイミング良くボールに到達することが難しくなったりします。
このとき気をつけて欲しいのは、インサイドアームを使うとき、肘の角度が90度以上開き、必要以上にディフェンダーを押しているとレフリーに判断されて、オフェンスファウルを吹かれることがあります。
肘の角度は必ず90度以内に抑え、ボールをプロテクトしながらコンタクトを行なっているように見えるようにしてください。
バックボードの白枠長方形の角を狙おう
フィニッシュは当たり前の話ですが、とても重要です。
バックボードの長方形の上の部分にあるコーナーを狙うということは、ボールのアーチを高くする、という意味です。
もちろん、常にこのようなハイアーチでレイアップを打つ必要はありませんが、ハーフコートでドライブを行うとき、その瞬間に、自分を守っているディフェンダーはヘルプに来るビッグマンであったりすることがよくあるので、高いアーチでのフィニッシュを狙う癖をつけておくというのはとても良いかと思います。
まとめ
以上がオフフット・フィニッシュが有効であることの説明ですが、最後にまとめをお伝えします。
こちらの記事をもういちど見返していただいて、コンセプトを理解した上で、練習に励んでもらえるととてもうれしいです。
次回の “Part 2” ではステファン・カリーのオフフット・フィニッシュドリルをご紹介します!
カリー直伝のドリルを観てみよう!【オフ・フット・フィニッシュ / Off Foot Finish】Part 2