【コーチが陥りがちな5つの罠ワナ】
一見成功しているように見えて、実はそうではない。
表面上の成功は、その瞬間は美しく見えるかもしれませんが、その実態が曖昧であったり不純物が入ったりしていれば、長年のキャリアを経て綻びが出てくるものです。
NBAのスーパースター、デイミアン・リラード。
デイムのスキルトレーナーとして有名なフィル・ベックナーが考える、コーチとしてやってはいけない5つの事柄。
ベックナーコーチは、バスケの技術だけでなくメンタル的要素・哲学的要素を常に重視するトレーナーとしてよく知られています。
選手を教えるコーチという立場であれば、コーチは自分の軸となる哲学を持っていることが必要です。
この「哲学」が間違っているとコーチとしてのキャリアの方向性で大きく道を外すことになるとベックナーは警鐘を鳴らしています。
「コーチとして正しい考え方を持っていなければ、選手が成功するはずがない」とベックナーは強く考えています。
選手を指導する前にまずは自分自身に対して問いかけを行うことが大事だと、ベックナーは声を上げます。
- You think it’s about you
自分が中心だと勘違いしてしまっている。
情熱や願望、結果、キャリアなどといったことすべてが自分の利となるよう自分中心へ向けてしまう。 - You chase money & status over impact
選手や社会に与えるインパクトやゴールよりも、お金や地位を追い求めてしまっている。
物事を決めるとき、人としてコーチとして何が重要な要因となるのか考えて見ましょう。
これは多くの人が陥りがちなことです。
地位やお金といった結果的なものを追い求める人生となってしまえば、どこかのタイミングで自分自身苦しむことになると、ベックナーは強調します。 - You value your talents as much as you value your players talents
コーチとしての自分の価値は、選手の価値よりも高いと勘違いしてしまっている。
バスケというものは選手がいなければ存在しないものである、ということを改めて認識しましょう。
コーチはReplaceable(代わりがいる)ものです。
プレイをエクセキュートするのは選手。
選手のハードワークに対する尊敬と感謝の念を持っておかなければなりません。
多くのコーチはこの点を忘れがちです。
NBAオクラホマシティ・サンダーのGMであるサム・プレスティは、試合が終わって飛行機の中で食事が出されても、選手が食事をしていないのであれば、自分の食事に手をつけません。
これは、「選手がいなければ我々の仕事も存在しない」と彼が自分自身に言い聞かせているからです。
- You are missing a leader who holds you accountable
あなたに行動責任の重要性を再確認させてくれるメンターがいない。
多くの方は既にヘッドコーチや組織のトップとなっているかと思います。
組織のトップという存在になってしまえば、常に叱咤激励をしてくれるメンターのような存在がいなくなりがちです。
フィードバックをもらうことができなくなったとき、他人からの意見を聞かず、視野が狭くなってしまうことが往々にしてあります。
あなたの人生に対して常に率直な意見を伝えてくれるメンターや先輩、両親の存在を大事にしましょう。
人の意見を聞くことができなくなったときに大きなワナに陥ります。 - You cannot cleary define a win
「勝利」の定義を明確に行えない。
これは特にヘッドコーチにとって重要なことです。
あなたが会社の社長であればとても大事なことです。
あなたにとって本当の「勝利」とは一体何ですか?
他人の人生にインパクトを与えられることなのか、競技での成功と選手の人間性教育で優れたバランスを取って成功することなのか、それとも自分のハードワークによって多幸感を生み出し満足することなのか…。
「勝利」の定義が明確でなく曖昧で軸がブレることがあれば、それはあなたのコーチとしての人生もブレる結果につながります。